Q&A

なぜジェンダー意識の混乱が生じるのでしょうか。なぜLGBTQになるのでしょうか。

ジェンダーと性について 

2016年にこれまでの様々なジェンダー関係の研究を総合的に分析したジョンズホプキンズ大学は、「性的指向が先天的であるという論説には科学的証拠はない」との調査結果を発表しました(https://apologeticspress.org/homosexuality-society-science-and-psychology-part-2-5909/)。

続いて、2019年の夏にハーバード大学とマセチューセツ工科大学で、40万人以上を対象としたジェンダー意識・性的指向に関する遺伝的影響を調べた共同研究の結果が公表されましたが、プロジェクトチームのリーダーだった Dr. Andrea Ganna は、「遺伝的要因から人のセクシュアリティーを知ることは不可能だ」と断言し、ジェンダー意識や性的指向に対する遺伝的影響は全体の3分の1以下で、ほとんどが後天的要因であると認めました(https://www.thepublicdiscourse.com/2019/09/57342/)。

実は、このような研究は20世紀半ばから心理学者たちが重ね続けてきていますが、最もジェンダーの混乱やLGBTQの傾向に影響を及ぼすのは、幼児期の性的虐待やその他の虐待、同性の親との愛着・執着の不足、親の間の力関係のアンバランス、目立った親の結婚の不一致、片親不在の状態、ポルノやその他の性的刺激への接触などであることは繰り返し立証されています。つまり、子どもが育った家庭環境やその他の身近な環境で起きた精神的トラウマがポイントであるということです。幼児期だけでなく、思春期の体験、ピア・プレッシャー、あるいは自分の決断でLGBTQになることも珍しくありません。驚くことに、このような混乱を経験する子どもたちの80〜90%は自然に治り、正常なセクシュアリティーへと成長します。だから、人から「君はLGBTQではないか」と言われたりすることは、逆に問題を悪化し、回復を困難にしますので、避けなければなりません。でも残念ながら、子どもをLGBTQの意識とライフスタイルへ押すのが現在の傾向でありますし、そのような影響を受ければ受けるほど、長くその中にいればいるほど、抜けることが困難になります。

下記の図を参考にしていただきたいのですが、私たちの「性」というものは大きく言って4つの要因から成り立っています。① 持って生まれた身体 ② 約18か月から4歳の間に確立されるジェンダー意識 ③ 性的指向(どのような相手に対し性欲を感じ、好きになるか)、そして④ 性行為、性体験。通常ならば、持って生まれた身体の自然的本能が幼児期の家庭環境などと混合し、身体的性と同一のジェンダー意識を確立させます。そしてジェンダー意識を根拠に思春期の時から性的指向が明確になり、意識の混乱がなければ、普通は異性の相手に魅力や性欲を感じるようになるのです。その結果、後に(願いとしては結婚後に)適切な性行為をする訳です。ところが、上記で説明した幼児期のトラウマやその他の要因のために、ある子どもはジェンダー意識が確立せず、混乱が生じます。すると、性的指向も混乱してくるので、同性の人に魅力や性欲を感じ、同性の人と性行為をしたり、両方と性行為をしたりしてしまうことにより、混乱がより深くなります。すると長期的にLGBTQになってしまうことが多いのです。

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また、最近はROGD (Rapid Onset Gender Disorder) と呼ばれる現象も起きています。これは、上記で説明した過程と違い、すでに何かの深い悩みや人格障害を持っている10代の女性に多いのですが、その精神的な問題のために深い違和感や苦しみを持っている場合があり、ネットやピアグループから自分の悩みの源は身体とジェンダー意識との衝突だと聞かされ、解決は性転換だと洗脳されてしまう場合です。この現象を注目したのは、米国ブライン大学のDr. Lisa Littman でした。彼女は、欧米のジェンダー・クリニックに問い合わせてきた10代の女性が10年間で4,500%上昇していることを調べ始め、これを “Social Contagion” (「社会的伝染病」)と呼びました(https://littmanresearch.com)。子どもや若者は、周りの人々の意見やプレッシャーに影響されやすく、現在の社会的影響は若者を安定したジェンダー感へと導かない傾向にあるのです。

結論として、ジェンダーの混乱は先天的でも生まれつきのものでもなく、育った環境、幼児期や思春期のトラウマや体験、周りからの影響、自分の選択の積み重ねから成り立っているということです。ですから、家庭環境や育成環境の重要性、周りからの健全な影響の大切さ、そして若い時の選択の積み重ねがどれほど大事かということを私たちは知らされます。


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