Q&A

ジェンダーと性の問題と「世界観」とはどんな関係にありますか。

ジェンダーと性について 

この問題を複雑にしている要素の一つは、人々の世界観です。世界観とは、人々の世界や人生を見る「レンズ」のようなものです。つまり、価値観、物事の判断の仕方、人間関係のあり方、社会をどう理解するかなどをすべて網羅します。現在の先進国で主流となっている世界観は「ポストモダニズム」です。ポストモダニズムは客観的事実や真理を否定し、主観的な体験を重要視します。言ってみれば、人々が感じることが「その人の真理」とされることです。

もう一つの特徴は「バイナリー思考の否定」です。バイナリー思考とは、物事に関するはっきりした区別をもった見解です。例えば、白か黒か、良いか悪いか、真理か偽りか、男か女か、などです。このような区別を否定することはどうでしょうか。倫理や道徳に当てはめていきますと、普遍的かつ絶対的な善悪の基準は無いと考えるのが、ポストモダンの特徴でもあり、ジェンダーに関しても、男女はそれぞれはっきりした区別を持った別存在であることも否定し、「スペクトラム」にあると主張します。ですから、このような世界観に基づいているジェンダー・イデオロギーの人々は、一人一人、いわゆる「男性」から「女性」の幅のどこかに当てはまるかもしれないが、どちらでもないことも多い、と主張するわけです。ジェンダー・イデオロギーとポストモダニズムは思想的にとても近い存在なので、ポストモダンの観点を持っている人々や社会は、ジェンダー・イデオロギーを容易に受け入れるわけです。どちらも神が人々を男か女かに創造されたこと、普遍的な真理、絶対的な善悪の基準などを否定し、特に性やジェンダーに関しての善悪の基準を認めません。このような考え方は、まさにQ3.の「人類の歪み」の表れで、その歪みが思想に反映していることの一例です。


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