Q&A

心理療法的カウンセリングは効果的でしょうか。

ジェンダーと性について 

2002年に、著名な研究者であるShidloとSchroederは、同性愛者を対象とした変化療法に関する研究を開始しました。彼らはその論文のタイトルを 「ホモフォビック・セラピー(同性愛嫌悪を結果とする治療法)─その害を記録する」と題しました。しかし、最初の20回のインタビューの後、彼らは賢明にもタイトルを「性的指向の変化」に変更することを選択しました。その理由は、参加者が経験していることが分かったからであり、次のような要因でした。
─望まない同性愛的感情について話すことによる安心感。
─希望と新しい洞察の増加。
─効果的な対処法の取り入れ。
─自尊心の向上。
─帰属意識の向上。
─人間関係の改善。
─および霊的・宗教的感情の増加。

ニコロシら(2000)は、「転換療法」(SOCE)を受けた人たちを調査した結果、次のような結論を出しています。
「治療前または変更前に自分を専ら同性愛者であるとみなしていた318人の参加者のうち、
─56人(17.6%)は、現在、自分自身を専ら異性愛者として見ていると報告した。
─53人(16.7%)は、現在、自分自身をほぼ完全に異性愛者として見ていると報告した。
─35人(11.1%)は、自分を同性愛者よりも異性愛者として見ている。
このように、もっぱら同性愛の調査の参加者の45.4%が、自分の性的指向に大きな変化があったと遡及的に回答している。「また心理的、対人的、精神的な幸福感も大きく改善されたと報告している」。害については、「治療後に心理的、対人的、精神的な幸福の項目のうち3つ以上(17項目中)で悪くなったと報告した」被験者はわずか7.1%でした。

Karten (2006)による、望まない同性への魅力、情欲に対するセラピーを経験した人の研究でも、非常に似た結果が報告されています。
─男性間の恋愛・性欲の表現に対する不快感が統計的に有意に減少した。
─同性愛の感情や行動が統計的に有意に減少した。
─異性愛者の感情や行動が統計的に有意に増加した。
─また、変化の努力の結果として、心理的な幸福感に関して非常に大きなポジティブな変化があった。
─100 % の男性が自尊心の向上を報告。
─99.1 % の男性が社会的機能の向上を報告。
─92.3 %がうつ病の減少を報告。
─自傷行為が 72.6%減少した。
─自殺念慮および自殺未遂が58.9%減少した。
─そして35.9%がアルコールと薬物乱用の減少を報告した(p.87-88)。
Kartenは後にこの研究を拡張し、同様の結果を専門誌に発表した(Karten & Wade, 2010)。

Jones と Yarhouse (2009) は、性的指向の変化とその結果として生じる可能性のある危害に関するこの問いに、これまでで最も厳格な縦断的方法論、つまり、変化を追求する被験者を追跡調査する方法を適用した。「私たちは、エクソダス・ミニストリーズの宗教的に媒介された変化手法に関与することによって、一部の個人に対して性的指向の変化が生じたというかなりの証拠を発見しました(自己分類で23%)」(p.8)。「本研究では、被験者を6、7年間追跡調査したが、これらの個人にとって性的指向を変えようとする試みが平均的に有害であるという証拠は見いださなかった(p.9)」

Black(2017)は、性的指向変更療法(SOCE)の研究で、結論のコメントを書きました。「98人のうち、85人は肯定的なトーンで、否定的なのは7人だけで、6人は混合的だった」と書いています。
─ヘインズ(2019)は、ほとんどがピアレビューされた125 年以上にわたった100もの研究論文を特定しました。これらの研究の多くは、肯定的な結果を報告しています。
─Phelanら(2009)は、1世紀にわたる研究を調査し、主に最近の方法論的に健全な研究に焦点を当て、同様の結果を見いだしました。彼らは「性的指向を変えることを目的とした介入は有害であると主張する逸話もあるが、これらの主張を支持する実証的な文献は不足している」と述べています。無作為調査を用いた研究では、リオリエンテーション療法が有害である可能性が高いと結論付けているものはありません。
─Sprigg(2018)はこう報告しています。〝2000年から2018年までの6つの研究または調査をレビューし、そのすべてが、SOCEは一部のクライアントにとって、性的指向のいくつかの構成要素に大きな変化をもたらすのに有効であることを示している。害はほとんど報告されていない…。これらの研究は、SOCEの有効性の証拠が、その害の証拠をはるかに上回ることを明確にしている。”
このような研究は、同性愛指向変更療法が害をもたらすという主張を覆しています。
どのような精神的病であろうと、心理学的治療を利用した時、害の認識、失敗、再発の可能性など、望ましくない結果をもたらす可能性があることに注意することが重要です。最近のよく設計された調査研究によれば、(例えば、Shidlo、Schroeder、& Drescher、2002;Shidlo & Schroeder、2002;Lambert & Ogles、2004、Santero ら、2018)同性アトラクションのセラピーを受けた後に害を表明する人は、その他の種類の精神的病の心理療法から害を表明する人と同じであることが明らかです。

(上記は、下記においてリンクしています。Dr. Ann E. Gillies,の記事の報告の一部です。
May 2020. https://www.csmedia1.com/restoredhopenetwork.org/harm-and-immutibility.pdf)


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